iTunesで買いたいアジカンの名盤『マジックディスク』についてつらつら書く
<photo from www.sonymusic.co.jp/Music/Info/AKG>
巨塔のSMEがついに落ちたことで日本の音楽市場の未来が面白くなってきた。先週からこれまで販売されていなかったソニーミュージックエンターテイメントの楽曲がiTunes Storeで買えるようになったのだ。
ユニコーン、L'Arc-en-Ciel、いきものがかり、西野カナ、JUJU、加藤ミリヤ、UVERworld、清水翔太、miwa、BOOM BOOM SATELLITES、YUI、遊助、久保田利伸、藤井フミヤ、Aqua Timez、SCANDAL、T.M Revolution、アンジェラ・アキ、YUKI、ASIAN KUNG-FU GENERATION、シド、チャットモンチー、奥田民生、PUFFY、宮本笑里、TUBE、浜田省吾、PRINCESS PRINCESS、尾崎豊、電気グルーヴ、RHYMESTER、CHEMISTRY、RakeなどのSME配属アーティストの楽曲が配信開始されている。
音楽ダウンロードの便利さは、「あっあの歌が聴きたいな!」と思った時にさくっと落とせる手軽さにあると思うが、iPod・iPhoneユーザーはSME所属アーティストの曲をiTunesで買えずに忸怩たる思いを噛みしめたことがあるはずだ。
やっとかー!という感じだが、やっぱりうれしい。哀愁をまとい始めたB級サラリーマンでも、CDショップで恥ずかしい思いをすることなくYUIのCHE.R.RYをダウンロードすることだってできるんだ。
そしてダウンロードできるようになったSMEアーティストの中で、ゆふきちが強くプッシュするのはアジカンことASIAN KUNG-FU GENERATIONだ。
さえないメガネのボーカルがいるバンドでしょ?なんて言わないでほしい。
ぱっと見うさんくさいけど実はカリスマ性抜群のボーカルのゴッチ。
唯一さわやかなギターのキタさん。
見た目から物静かなベースの山さん。
実はめっちゃドラムが上手いキヨシ。ライブでは超絶かっこいいこの4人。
言葉遊びが効いているがメッセージ性の強い歌詞と、キャッチーだけど誠実なメロディにいつの間にかあなたも虜になるはずだ。
そんなアジカンでiTunes解放記念として落としてほしいのは、2010年発売の6thアルバム『マジックディスク』!
聴けば聴くほど良曲が発掘されるといわれるアジカンのアルバム群において、海の香りが漂うほどの噛め噛む曲満載のスルメアルバム。
「聴き終わるといい小説を読んだ後みてーな心地良い浮遊感が残るんだ。」とHUNTER×HUNTER24巻のとあるシーンで登場人物が好きなアルバムを語る場面があるのだが、私にとって『マジックディスク』はそんなアルバムだ。
以下、そんな中でも絶対に聴いてほしい厳選のスルメ曲。
『あの日僕がセカンドフライを上手に捕ったとして それで今も抱えている後悔はなくなるのかな』
印象的なワードでアルバムの始まりを告げるリード曲。21世紀とか言ったってオレらの生活は連綿と続くし、愛の営みだって時代を変え世紀を超え本質は変わらないんじゃない?と歌いつつ新世紀に向かって愛を叫ぶ。
後半に向かって盛り上がってくリズムにテンション爆発!
『「将来の夢を持て」なんて無責任な物言いも 1986に膨らんだ泡と一緒に弾けたの』
ロストジェネレーションともゆとり世代とも言い難い、そのはざまの世代に分類される私でも響くものが大きい曲。
20代から30代の人には絶対聴いてほしい。自分もいつの間にか時代を担う歳になってきているし、もしかしたら変えていくのも自分たちなのかもしれない。
『何もなくて 不安で 胸の奥を掻きむしるような日々も 彼は生きて』
マジックディスクの楽曲全般に言える気がするのだが、時代や世代を包む不安があって、そんな中で繋がりを求める自分たちに希望を探すといったテーマを歌っているように感じる。ゴッチの切実な声に一度打たれてしまうと、メガネおっさんではなくカリスマアーティストにしか見えなくなる不思議。
『捻くれた日々を過ごして いつか大人になった』
捻くれ者のアンセム。ぜひライブの模様を見てもらいたい。高音に苦しむゴッチの姿がかわいい。
『雨が上がって 頬が乾いて そのあとに虹が架かるような』
ギターのジャカジャカ感と、歌詞の言葉遊びが抜群に最高な一曲。前にCMで使われてた「ループ&ループ」に通じるポップで明るい歌。テンションノリノリになります。
『さよなら それもいいさ どこかで元気でやれよ』
浅野いにおのコミック「ソラニン」の物語のキーとなる曲を、映画化にともないアジカンが歌ったもの。
アジカンも浅野いにおもどっちも好きだから変に映画でコラボするなよ!とはじめはアンチだったが、聴いてみたらあらこりゃベストマッチ。
コミック・映画どちらも泣けます。そのあとソラニン聴いたら、涙涸れます。
以上、つらつらと個々の曲紹介を書かせていただいたが、ぜひ1枚のアルバムとして通しで聴いてほしい。
あなたのスルメアルバムになったらライブ会場で会いましょう。
ついでにiTunes解放記念なので、『マジックディスク』には収録されていないがその他の代表名曲も紹介。
ギターのジャカジャカなノリが最高!
この曲聴くとイントロから泣けるパブロフの犬状態。
『俳優や映画スターにはなれない 君の前でさえ上手に笑えない』
その気持ちとってもわかります。そんな男子は多いはず。
他にも良曲・スルメ曲がいっぱいあるのだが伝えきれないもどかしさ。
ぜひベスト盤もどうぞ。